「集団塾は受験対策、個別指導塾は内申点対策」——なんとなくそう聞いたことがある方も多いと思います。我が家も漠然とそう思っていましたが、実際のところどうなのか、そして個別指導塾は具体的に何をしているのか、AIで代替できる部分はあるのか、を調べてみました。
調べていく中で見えてきたのは、「地域密着」という言葉そのものよりも、「学校別テスト対策」というキーワードこそが、内申点対策塾の本質を捉えているということです。我が家の一旦のテーマは内申点対策なので、今回は「地域密着」にはこだわらず、「学校別テスト対策」を掲げる塾を横断的に比較していきます。
1. 「集団塾=受験特化、個別指導塾=内申点特化」は本当か
まず結論から言うと、大まかな傾向としては合っているものの、絶対的な区分ではないというのが実態のようです。
複数の塾情報サイトによると、受験対策が目的の場合は進学塾(集団授業塾であることが多い)を利用し、内申点の向上などが目的の場合は補習塾(個別指導塾に多い)を利用する傾向があるとされています。
その理由も整理されていました。集団塾は長年の実績と豊富なデータに基づいた質の高いカリキュラムを提供でき、最新の入試傾向にも対応した効率的な指導が受けられる一方、多数の生徒を同時に指導するため個々の理解度や進度に細かく対応するのが難しいという弱点があります。
対して個別指導塾は、その生徒固有の課題を見つけやすく、講師が生徒の課題に沿ったカリキュラムを組んで、疑問を一つ一つ丁寧に解決していくスタイルが基本です。「クラス全体の進度」ではなく「その子の学校の進度・その子のつまずき」に合わせられることが、個別指導塾の本質的な強みと言えそうです。
ただし、これは絶対的な区分ではありません。実際、個別指導塾のなかにも志望校対策や高校受験対策を前面に打ち出しているところがあり、集団塾でも学校の授業進度に合わせた補習コースを持つところもあります。「集団塾=受験、個別=内申点」は”傾向”であって、”絶対”ではないというのが正確な理解のようです。

2. 個別指導塾の核は「学校別テスト対策」
「個別指導塾は内申点対策に強い」と言われても、実際に教室の中で何が行われているのかは意外と見えにくいものです。そこで、神奈川県内にも展開している個別指導塾「コノ塾」を例に、具体的な中身を見てみました。
コノ塾は、東京・神奈川・埼玉・大阪の4都府県に120校以上を展開する個別指導塾で、公立高校受験に特化したカリキュラムを提供しており、中学受験や最難関私立中学受験を目指す生徒には対応していない点が特徴です。「地域の公立中学に通い、公立高校を目指す」という、まさに我が家と同じ前提の子ども向けに設計されている塾と言えます。
授業の仕組み
コノ塾の授業は、一般的な個別指導塾(大学生講師1人が担当)とは少し違う仕組みを採っています。「動画のプロ講師」と「教室の先生」という役割の異なる2人の先生がチームで生徒を支えることで、講師の当たり外れによる指導品質のばらつきを抑える設計になっているようです。
カリキュラムの中身
最も注目すべきは、生徒が通っている学校別の進度に完全対応した予習と復習で、学校の授業を「わかる」「できる」に変えるという方針です。さらに、定期テスト対策や季節講習を繰り返し行うことで基礎力を向上させ、定期テストでの得点力を高めることを重視しています。
つまり、「全国共通の受験カリキュラム」ではなく、「自分の通う学校の教科書・進度に合わせた予習復習」=「学校別テスト対策」こそが、個別指導塾の中身の核だということがわかります。これはまさに、集団塾との一番の違いと言えそうです。
料金感
料金体系も比較的明瞭です。教室維持費が月額2,640円、教材費が1冊1,400円前後とされており、1コマ50分・月24コマ換算で、業界最安クラスの授業料を打ち出しています。前回の記事で取り上げた「個別指導塾は月4万円程度」という一般的な相場と比較すると、明瞭な低価格路線を打ち出している塾であることが伺えます。

3. 「学校別テスト対策」を掲げる塾を比較する
コノ塾以外にも、「学校別テスト対策」を前面に打ち出す個別指導塾は複数あります。実際に神奈川県内・大倉山エリアで展開している塾を中心に、その特徴を比較してみました。
| 塾名 | 展開規模 | 「学校別テスト対策」の中身 |
|---|---|---|
| コノ塾 | 4都府県120校以上 | 生徒の学校別の進度に完全対応した予習復習。動画講師+教室講師の2人体制 |
| 城南コベッツ | 全国フランチャイズ | 教室ごとに近隣の公立中学校(例:大綱中学校・樽町中学校)を名指しし、その学校のテスト範囲・傾向に絞った対策を実施 |
| 臨海セレクト | 神奈川発祥の大手チェーン | 毎回の授業で確認テスト・口頭確認を行い、理解度をその場で把握。集団塾(臨海セミナー)との併用も可能 |
| CGパーソナル(中萬学院グループ) | 神奈川県内中心の大手チェーン | 生徒の学力・確保できる時間に合わせてカリキュラムを個別に作成。オンライン授業にも対応 |
| 個別指導スクールIE | 全国フランチャイズ | 独自の性格診断・学力診断テストを用いて、生徒ごとにオーダーメイドのカリキュラムを設計 |
| 個別教室のトライ | 全国チェーン | 教室長が地域の学校情報・受験情報に精通し、学校のカリキュラムに合わせたプランを提案。地元出身の講師も在籍 |
こうして並べてみると、「学校別テスト対策」を謳う塾のほとんどが、実は個人経営の小さな塾ではなく、フランチャイズ・大手チェーンの一教室であることがわかります。ただしそれぞれ、対策の”やり方”には違いがあります。
- コノ塾・城南コベッツ型:学校名・教科書名を具体的に把握し、そのままテスト範囲に直結する対策を行う
- 臨海セレクト型:毎回の確認テストで理解度を可視化し、弱点をその都度つぶす
- CGパーソナル・スクールIE型:診断テストや面談を通じて、学力・性格に合わせたカリキュラムをゼロから設計する
- トライ型:教室長・講師の「地域情報への精通度」を強みとして打ち出す
共通しているのは、「その生徒が通っている学校の進度・出題傾向に合わせる」という一点です。これは前回の記事で取り上げた「集団塾との違い」とも一致します。裏を返せば、AIに「通っている学校名・使っている教科書名・直近の授業範囲」を伝えることさえできれば、この”学校別対策”という中核機能は、原理上AIでも再現可能だということになります。

4. この中身、AIで置き換えられる部分はどこか
ここまで調べてみて、率直に感じたのは——「学校の進度に合わせた予習復習」という核の部分は、実はAIが最も得意とする領域そのものではないかということです。
| 個別指導塾がやっていること | AIに置き換えられそうか |
|---|---|
| 生徒の学校の進度に合わせた予習・復習 | ◎ 教科書名・単元を伝えれば、AIも同様に対応可能 |
| つまずいたポイントをその場で丁寧に解説 | ◎ 我が家の実践記でもすでに機能している部分 |
| 定期テスト対策・過去の出題傾向分析 | ○ ある程度は可能(今回のブログの模擬テスト作成もこれに近い) |
| 講師との人間的な信頼関係・声かけ | △ AIでは代替が難しい部分 |
| 教室という「行く場所」がある安心感・自習室 | × これはAIでは代替できない |
「学校の進度に合わせた予習復習」「つまずきの個別解説」という、個別指導塾の最も中核的な機能は、まさに我が家がAI家庭教師でやろうとしていることと重なっているように見えます。一方で、「教室に通う」という物理的な環境や、講師との人間関係が持つ安心感は、AIだけでは埋めきれない部分でもあります。

5. まとめ:「学校別テスト対策」という核を知ることが、AI活用のヒントになる
今回調べてわかったことをまとめます。
- 「集団塾=受験特化、個別指導塾=内申点特化」は、大まかな傾向としては正しいが、絶対的な区分ではない
- 個別指導塾の核は、「学校別テスト対策」=学校の進度に合わせた予習復習と、つまずきの個別解説
- コノ塾以外にも、城南コベッツ・臨海セレクト・CGパーソナル・スクールIE・トライなど、同じ「学校別テスト対策」を掲げる塾は多数ある
- この核の部分は、AI家庭教師でも代替できる可能性が高い
- 一方で「教室に通う安心感」「講師との人間関係」は、AIだけでは埋めきれない部分
我が家がAI家庭教師を選んだのは、「個別指導塾がやっていることの”中身”を、費用をかけずに再現できないか」という発想が根底にありました。今回の調査で、その仮説はあながち間違っていなかったと感じています。
次回は、ここまで調べながらふと疑問に思ったことをまとめたいと思います。
それは、「なぜそもそも、中学のテスト対策がこれほど必要とされるようになったのか」という点です。
教科書の内容をきちんと理解していれば、本当に塾通いは必要ないのか?
それとも、教科書の内容そのものが昔と比べてレベルが上がったから、対策なしでは太刀打ちできなくなったのか?
この疑問を、次回あらためて考察してみたいと思います。



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