「be動詞と一般動詞の使い分け」に絞って文法回を進めた回で、これまでで一番多くのつまずきが一度に見つかりました。

今回は、その4つの不具合と、それぞれにどう対処したかをまとめて公開します。
一つひとつは小さな綻びですが、並べてみると「AIに指示を出すときの言葉選び」について、共通する教訓が見えてきます。
不具合①:「疑問文には進まない」のはずが、疑問文自体を避けようとした
前回、「be動詞と一般動詞の使い分けに絞り、疑問文・否定文の作り方には進まない」という指示を出しました。
ところが実際のセッションでは、こんな出来事がありました。
大問3には、もともと “Are you from Yokohama?” のような疑問文の形をした問題が含まれています。
AIはこの問題文自体を提示する場面で、一瞬避けるような素振りを見せたのです。
原因
「疑問文には進まない」という指示を、AIは「疑問文というテーマ全体に触れてはいけない」という意味で受け取ってしまったようです。
しかし本来意図していたのは、「問題の”形”が疑問文であることは構わないが、”疑問文の作り方”を新しく教える練習はしない」という、もっと限定的な区別でした。
対処
指示に、OK例とNG例を具体的に併記することにしました。
OK:A: Are you from Yokohama? B: Yes, I( ).
→ be動詞の形を答えさせる問題なのでOK
NG:「I am a student.を疑問文にしなさい」
→ 疑問文の作り方を新しく教える練習なのでNG
抽象的なルールだけでは、AIがどこまでを「疑問文」に含めて解釈するかは予測できません。
具体例を対で示すことで、ようやく意図が正確に伝わるようになりました。

不具合②:一般動詞が正解の問題で、be動詞と答えたのに「正解」と判定された
これが一番驚いた不具合です。
「be動詞か一般動詞か」を判断する問題で、子どもが誤って「be動詞」と答えたにもかかわらず、AIはそれを「正解」と判定してしまいました。
原因
前回追加した「正解か不正解かを明示してから次に進む」というルールが、逆に「素早く判定を出すこと」を優先させすぎてしまい、正解との照合が疎かになった可能性があります。
判定のスピードを求めるあまり、精度が犠牲になってしまったという、皮肉な結果でした。
対処
2つの対策を組み合わせました。
1. 選択肢形式に変更:「be動詞か一般動詞か」のような分類問題は、自由記述ではなく、必ず「a) be動詞 b) 一般動詞」という選択肢形式で出題するようにしました。
文字列としての一致・不一致で判定できるため、意味の照合ミスが起きにくくなります。
2. 判定前の自己確認ルールを追加:
生徒の回答に対して「正解」「不正解」を判定する前に、AIは
必ず内部的に以下を行うこと。
1. その問題の正解が何かを、まず自分の中で明確にする
2. 生徒の回答と、その正解を照合する
3. 一致していれば「正解」、一致していなければ「不正解」
と判定する
「早く判定を出させる」ルールを追加するときは、同時に「正確に判定させる」ための手順もセットで書かないと、スピードと引き換えに精度が落ちることがある、という教訓でした。

不具合③:問題を3問出しただけで、セッションが終わってしまった
大問3には(1)(2)(3)の3つの設問しかありません。
この3問を出し終えたところで、AIは補充の練習を挟むことなく、そのままセッションを終えようとしました。
原因
これまでの単語回では、新出3語+復習7語で自然と問題数が確保されていましたが、今回のように「特定の観点だけに絞る」という指示を出すと、アンカー問題自体の設問数が少なく、15分という目安時間に届かないという構造的な問題が起きました。
加えて、AIが「アンカー問題を出し終えた=ゴール達成」と解釈し、確認を挟まずに終了を判断してしまったようです。
対処
アンカー大問(大問3など)に含まれる設問をすべて出題し終えても、
それだけでセッションを終了してよい理由にはならない。
アンカー大問の設問数が少ない場合は、既習単語や既習文法を使った
補充の練習問題を追加で作成し、目安の時間(15分程度)に
達するまで、または生徒が終了を希望するまで、練習を継続すること。
「アンカー大問を全部やった=今日はおしまい」という早合点を防ぐため、設問数が足りない場合は補充問題を作ってでも継続する、という一文を明記しました。

不具合④:あいさつ・進捗表示の乱れが、一部まだ残っていた
前々回に一度直したはずの「あいさつを毎回繰り返す」「判定を言わずに次へ進む」という不具合が、今回のセッションでも部分的に顔を出しました。

対処
これは新しいルールを追加するというより、既存のルール(応答フォーマットに関する重要ルール)を、状態サマリーの「前回の振り返り」に改めて明記し、AIに再度強く意識させるという対応にしました。
プロンプトが長くなるにつれて、以前追加したはずのルールの優先度が薄れていくことがある、というのは、これまでも繰り返し起きてきたパターンです。
4つに共通する教訓
今回の4つの不具合を並べてみると、共通しているのはこの2点です。
- 抽象的な指示(「疑問文には進まない」「正解か不正解かを明示する」)は、AIにとって解釈の余地が大きすぎる。 具体例やOK/NGの対比を添えて、初めて意図通りに機能する
- 「速さ」を求めるルールを足すと、「正確さ」が犠牲になることがある。 何かを追加するときは、それによって別の何かが崩れていないか、セットで確認する必要がある
AI家庭教師は便利ですが、「一度うまく動いた」だけでは安心できず、新しい指示を足すたびに、思わぬ副作用がないかを見ていく必要がある、というのが今回の一番の学びでした。

次回への反映
今回の4つの修正をすべて反映した状態で、同じテーマ(be動詞・一般動詞の使い分け)をもう一度セッションとしてやり直す予定です。
選択肢形式への変更や、判定前の自己確認ルールが実際にどこまで機能するか、次回の結果を見て報告します。

このような試行錯誤の積み重ねも含め、我が家の取り組み全体は【完全ガイド】塾なしで神奈川県公立高校に合格するためのAI活用法でご覧いただけます。


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