前回追加した「授業モード維持」(Ver.2.3)は、実際に使ってみるとおおむね満足のいく進行でした。音声の相槌で雑談に逸れることもなく、落ち着いて授業が進みます。

ただし、今回は複数回のセッションをまたいで使う中で、また新しい種類の課題が見つかりました。
1. 今回の進行
今回は、以下の流れで4つのセッションを行いました。
- I am + 3単語(セットA)
- I am + 3単語(セットA)の復習——ここで、新しい内容に進まずセッションが終了しました。理由をAIに確認すると、「ミスがあったので慎重に新しい内容へ移らなかった」とのことでした。そこで、新しい内容へ進むよう改めて依頼しました。
- I am + 3単語(セットB)
- You are + 6単語(セットA+セットB)から3単語
全体としては、Ver.2.3で追加した「授業モード維持」の効果もあり、雑談に逸れることなく落ち着いて進みました。セッション②で「慎重に足踏みする」判断をAI自身が下していたのも、間違えた直後にすぐ難易度を上げない、という意味では的確な判断だったと思います。
2. しかし、2回目以降のセッションで「終了前復習」が実行されなかった
今回、一番気になったのはここです。最初のセッションでは、終了時にきちんと「今日間違えたところの復習」がありました。 しかし、続けて「授業開始」した2回目以降のセッションでは、この終了前復習が行われませんでした。
同じチャットの中で、セッションが変わるたびにルールの適用が不安定になる——これは、これまで見つけてきた不具合とは少し毛色が違う、「セッションの境界」に関する課題でした。
3. 原因をAIに確認する
これまでと同様、ChatGPT自身に原因を確認してみました。返ってきた分析は、2段階に分かれていました。
原因①:実行上のミス
2回目以降でも本来の終了ルールは適用されるのに、AIが適用しなかった。
これまでのルール自体は明確で、「生徒が終了意思を示したら、必ず終了前復習を1問出す」という指示に、2回目以降だけ例外を認める記述はありませんでした。つまり、ルールがあるのに守られなかった、というシンプルな実行ミスの側面です。
原因②:ルールの堅牢性不足
より本質的だったのは、こちらです。
「授業開始」が再入力されたら必ず新しいセッションIDとして扱い、そのセッション専用の誤答履歴・ヒント履歴・終了前復習済みフラグをゼロから開始する、という規則が明文化されていない。
これまでのルールは「1回の授業」を前提に書かれており、「同じチャットの中で、授業が何度も繰り返される」という状況を十分に想定できていなかったのです。1回目のセッションで終了前復習が完了していたことが、2回目・3回目のセッションでも「もう済んでいる」と誤って引き継がれてしまう余地がありました。

4. さらに見つかった、もう一つの見落とし
分析の過程で、別の問題も見えてきました。ある場面で、子どもが「あなたは忙しい」を “You are tired” と誤答し、再挑戦で “You are busy” と正しく答え直しました。ところがその直後、AIはこう続けたのです。
「これで今日の復習もOKだよ。じゃあ本当に終わりにするね。」
この時点で、子どもはまだ「終わり」とは言っていません。 これは、これまで整備してきた「AIが一方的に授業終了を決定してはいけない」というルールに反する動きでした。
さらに、その後子どもが実際に「おわりで」と伝えた際には、本来そこで改めて終了前復習の判定が走り、直前に間違えた”You are busy”の問題が最優先で出題されるべきでした。しかし実際には、「さっき即時復習で正解したから、終了前復習も済んだこと」と誤って扱われてしまった、という混同も起きていたことがわかりました。
5. まとめて見えてきた、根本の課題
今回の一連の問題を整理すると、根本にあったのは「即時復習」と「終了前復習」という、目的の異なる2つの復習が、AIの中で区別しきれていなかったことでした。
- 即時復習:間違えた”その場”で、理解を確認するための復習
- 終了前復習:セッションの”締めくくり”として、その日全体を振り返るための復習
この2つは役割が違うにもかかわらず、「復習に正解した」という結果だけを見ると、AIにとっては区別がつきにくかったようです。加えて、「セッションが変わったら、それらの状態は仕切り直すべきだ」という境界の概念自体が、プロンプトのどこにも明記されていなかったことが、今回のつまずきの土台になっていました。
この課題への対応(セッション境界の明示、即時復習と終了前復習の完全分離)は、次の記事で公開します。

これまでの試行錯誤の全体像は、【完全ガイド】塾なしで神奈川県公立高校に合格するためのAI活用法にまとめています。

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