Ver.2、最初の授業でわかった5つの課題

AI家庭教師 実践記

前回、ChatGPTの「プロジェクト」機能を使ったVer.2の設計を公開しました。

AI家庭教師Ver.2、ChatGPTの「プロジェクト」機能で作り直しました
1プロンプト運用の限界を踏まえ、ChatGPTの「プロジェクト」機能を使ったAI家庭教師Ver.2を設計。6ファイルへの役割分離とSTATUS_SNAPSHOTによる記憶の引き継ぎ方法を公開します。

今回はいよいよ、実際にこのVer.2で最初の授業を行った結果です。

結論から言うと、Ver.1のときと同じように、実際にやってみて初めて見えてくる課題がいくつも見つかりました。
ただし今回は、Ver.2の設計(役割ごとに分離された6ファイル)のおかげで、「どのファイルの、どの部分を直せばいいか」がかなり明確になったのが収穫でした。


課題①:問題の難易度が、生徒の理解度に合わせて変わらない

最初につまずいたのは、こんな場面でした。

「彼らは友達です。」を英語にしてみて!

これをそのまま自由記述で聞かれても、まだ難しい段階です。
「選択肢で選んでほしい」と伝えると、AIはすぐに選択式に切り替えてくれましたが、逆に言えば「難しければ選択式に下げる」という調整が、プロンプト側にあらかじめ組み込まれていなかったということです。

理解度に応じて「三択→穴埋め→英作文」と段階的に難易度を調整する仕組みが必要だとわかりました。


課題②:「準備はいい?」が、Ver.2でも再発した

Ver.1で何度も直したはずの「準備はいい?」が、Ver.2でも顔を出しました。
原因を探ってみると、Ver.2の基本ループの中で「理解確認」というステップの書き方が曖昧で、AIがそこに独自の進行確認を差し込む余地が残っていたことがわかりました。

「添削の直後は、確認を挟まず自動的に次の問題を出す」という、より明確な指定が必要でした。


課題③:「今日はここまで」と言っても、復習なしで終わってしまう

セッションの終わり際、「今日はここまで」と伝えると、そのまま挨拶だけで終了してしまいました。
理想としては、終了の意思を示した後に、最後の総仕上げとして1問だけ復習を挟んでから終わってほしいというのが本来の希望でした。

これは「終了意思=即終了」ではなく、「終了意思=終了前の復習フェーズへの入り口」として扱う必要がある、という気づきです。


課題④:習っていない文法・単語が、いきなり出てくる

これが一番根が深い課題でした。
「be動詞の肯定文」を練習しているはずの場面で、まだ教えていない現在進行形(be動詞+〜ing)の問題が出てきたのです。
また、その場その場でAIが新しい単語を次々と使うため、子どもにとって「知らない単語だらけ」の状態になってしまう場面もありました。

これはプロンプトの言い回しの問題というより、「今、どこまでを教えてよいか」という境界線が、そもそもカリキュラム側で管理されていなかったという、より構造的な課題でした。


課題⑤:初回の問題が、いきなり自由英作文だった

授業を開始すると、最初の問題が「私はうれしいです。を英語で書いてください」という、選択肢なしの自由記述でした。
新しい単語(happy)を教わっていないにもかかわらず、いきなり書かせる形式だったため、面食らってしまいます。

本来期待していたのは、「新しい単語の意味を選択式で確認する → 短い文の形を選択式で確認する → 十分に慣れてから自由記述に進む」という段階的な導入でした。


この5つから見えてきたこと

課題①②③は、「教え方(TeacherSystem)」側の問題でした。
一方、課題④⑤は、「何を、どの順番で教えるか(Curriculum)」側の問題です。
Ver.2で役割を分離しておいたおかげで、「これは教え方の話」「これはカリキュラムの話」と、原因の所在を切り分けて考えられたのは、Ver.1にはなかった利点でした。

特に課題④については、「カリキュラムをどこまで細かく管理するか」という設計判断が必要になりました。
すべての授業の流れを一言一句決め切ってしまう方法(仮に”Ver.3″と呼んでいます)と、大まかな進行順とルールだけを決めておく中間的な方法との間で検討し、今回は中間的な方法を採用することにしました。

これらの課題に対する具体的な修正内容(実際に書き換えたファイルの中身)は、次の記事で全文公開します。

Ver.2改良版:TeacherSystem・Curriculumの変更点を全文公開


これまでの試行錯誤の全体像は、【完全ガイド】塾なしで神奈川県公立高校に合格するためのAI活用法にまとめています。

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