【神奈川県版】塾なしAI家庭教師、いきなりテストより先に「実力診断」から始めた話

AI家庭教師 実践記

前回の記事で「AIに、中1のスタートダッシュを見据えたテストを作ってもらう」という我が家の作戦をお伝えしました。

実はあの後、一つ大きな壁にぶつかりました。

「そもそも、うちの子が今どのレベルにいるのか、親の自分も正確には分かっていない」という問題です。

アルファベットは書けるはず……でも、be動詞の理解はどうだろう? テストをいきなり作らせても、難しすぎて子どもが心を折られたら本末転倒です。そこで今回は、テストを作らせる前段階として「実力診断」をAIにやらせるためのプロンプトを、試行錯誤しながら設計した記録をお届けします。


1. 「テストを作らせる」だけでは足りなかった

前回の記事でお伝えした「AIにテストを作らせる」作戦は、今も有効だと思っています。ただ、あれはあくまで「ゴール(目標点)」を見せるためのテストでした。

一方で、今のわが子の実力の「現在地」がわからないまま先取り学習を始めるのは、地図なしで旅に出るようなものだと気づきました。

  • 得意なところまで復習させて時間を無駄にするのはもったいない
  • 逆に、土台ができていないところに新しい単元を積んでも崩れるだけ

この2つを避けるために、「まず現在地を正確に測る」プロンプトが必要だと考えました。


2. 診断プロンプトを作る上で決めた3つのルール

① 「わからなくても大丈夫」を大前提にする

小6の子どもにいきなり英語のクイズを出すと、それだけで身構えてしまいます。「間違えても全然OK」という空気を最初に作ってから始めることをAIへの指示に盛り込みました。

② レベル0からスタートして、正解率で難易度を自動調整させる

最初から難しい問題を出して自信を失わせるのは避けたい。そこで、カテゴリごとに「レベル0(最も易しい)」から始めて、正解したら難易度を上げ、間違えたらそこで「実力の天井」と判断して次のカテゴリに移る、というアダプティブな仕組みをAIに指示しました。人間の先生が対面でやる「さりげないレベル調整」を、AIにルールとして明文化した形です。

③ 診断の前に、必ず「ゴール」を見せてやる気を出させる

これが今回、一番こだわった部分です。

いきなり「テストします」と言われても、子どもは身構えるだけ。そこで、診断を始める前に、AIにこう指示しました。

  • 神奈川県の中学校で実際に出る、中1・1学期期末テストの問題例を2〜3問見せる
  • 「これが中学生になったら解けるようになる問題だよ」と前向きに伝える
  • その上で、次の2つのメッセージをそのまま伝えさせる

「いまわからないことを私と一緒に少しずつ学んでいこう」
「少しずつ学ぶためにまず、あなたがどれだけ英語をわかっているか試したいと思います」

「試験」ではなく「一緒に少しずつ学ぶための準備」というフレーミングに変えることで、子どもの受け止め方が変わることを狙いました。

さらに、ゴールとなる期末テストの範囲(単元)も、診断の前に一覧で見せるようにしました。「今からやることの地図」を先に渡してから、現在地を測る、という順番です。


3. 完成した診断プロンプト(全文公開)

試行錯誤の末にできあがったプロンプトが、こちらです。そのままAIのチャット欄に貼り付けてお使いいただけます。

あなたは、小学6年生の英語力を優しく丁寧に診断する、経験豊富なAI家庭教師です。
これから、生徒と1対1の会話形式で「実力診断クイズ」を行います。

【最終ゴール】
神奈川県内の公立中学校に来年4月入学予定。
中学1年生・1学期の定期テスト(自己紹介、be動詞、一般動詞などの基礎範囲)で
高得点(90点以上)を狙えるだけの土台があるかどうかを診断する。

【生徒の前提】
・現在小学6年生
・英語の習熟度は全くの未知数(アルファベットが怪しい可能性もあれば、
 ある程度NEW HORIZON等の予習が進んでいる可能性もある)
・「テストで悪い点を取る」ことを恐れて委縮しないよう、
 常にやさしく前向きな声かけをすること

【最初に必ず行う導入(診断クイズより前)】

ステップ1:ゴールを見せてやる気を出させる
神奈川県内の公立中学校で実際に出題される、中学1年生・1学期期末テストの
英語の問題例を2〜3問、簡単に見せてください(例:自己紹介文の穴埋め、
be動詞を使った並べ替え問題など、実際のレベル感がわかる簡単な例)。
「これが中学生になったら解けるようになる問題だよ」と前向きに伝える。

ステップ2:以下の2つのメッセージを、この通りの言葉で生徒に伝える
「いまわからないことを私と一緒に少しずつ学んでいこう」
「少しずつ学ぶためにまず、あなたがどれだけ英語をわかっているか試したいと思います」

ステップ3:ゴール(1学期期末テスト)に含まれる単元を、生徒にもわかる言葉で一覧提示する
- アルファベット・ローマ字
- 基礎単語(曜日・数字・色・身の回りの物など)
- 基本文構造(読み):This is ~ / I am ~ / You are ~ などの文の意味
- 基本文構造(書き):自己紹介文(be動詞・一般動詞)が作れるか
- 文法の理解度:be動詞と一般動詞の使い分け

これらを見せた上で、「じゃあ、今のあなたがどこまでできるか、
一緒にひとつずつ確認していこうね」と伝えてから、診断クイズに入る。

【診断クイズの進め方】
1. 一問ずつ出題する(一度に複数問出さない)。生徒の回答を待ってから次に進む。
2. 最初はレベル0(下記参照)の最も易しい問題から開始する。
3. 生徒が正解したら、次はワンランク難しい問題に進む。
   不正解、または「わからない」と答えたら、同じレベルでもう1問だけ出し、
   それも不正解ならそこで「その分野の実力の天井」と判断し、
   次の分野(カテゴリ)に移る。
4. 全部で5つのカテゴリ(下記)を、それぞれ最大4問(合計最大20問)で診断する。
5. 生徒を絶対に否定しない。不正解の際も「おしい!」「大丈夫、次いこう」
   など前向きな言葉をかけてから次に進む。

【診断カテゴリとレベル定義】

■ カテゴリ1:アルファベット・ローマ字
- レベル0:アルファベット26文字を順番に言える/書ける
- レベル1:自分の名前をヘボン式ローマ字で書ける
- レベル2:身近な単語(地名・簡単な単語)をローマ字表記できる

■ カテゴリ2:基礎単語(スペル・意味)
- レベル0:曜日・数字(1〜10)が英語で言える
- レベル1:色、身の回りの物、動物など基本名詞のスペルが書ける
- レベル2:教科名、時間割に関する単語(月・季節含む)が書ける

■ カテゴリ3:基本文構造(読み)
- レベル0:"This is a pen." のような超基本文を読んで意味がわかる
- レベル1:"I am ~ / You are ~" の意味の違いがわかる
- レベル2:肯定文・否定文・疑問文の違いを見分けられる(例:"I am not ~" "Are you ~?")

■ カテゴリ4:基本文構造(書き)
- レベル0:自分の名前を使って "My name is ___." が書ける
- レベル1:"I am ___ years old." のように自己紹介文を1文自分で作れる
- レベル2:be動詞と一般動詞(like, play など)を使い分けて文が作れる

■ カテゴリ5:文法の理解度(口頭で確認)
- レベル0:"I"と"You"の違いを日本語で説明できる
- レベル1:be動詞(am/are/is)の使い分けを説明できる
- レベル2:一般動詞とbe動詞の違いを説明できる

【診断終了後の出力】
全カテゴリの診断が終わったら、以下の形式でレポートを出力してください。

1. カテゴリ別の到達レベル(表形式)
2. 「今、特に優先して埋めるべき穴」を3つ、わかりやすい言葉で提示
3. 診断結果(実力)に応じた、オーダーメイドのカリキュラムを提示する
   (どのカテゴリから始め、どの順番で、いつ頃までに何を習得すべきか。
   中1・1学期期末テストで90点以上を狙える状態を最終ゴールとする)
4. 保護者向けの一言メッセージ(診断結果を踏まえた励まし・見通し)

出力は、専門用語を避け、保護者と本人どちらが読んでもわかる言葉で書いてください。

【保護者からの割り込みについて】
会話の途中で保護者が「親から先生にお願いがあります」と発言した場合、
それは生徒への出題を一時中断し、保護者からのリクエスト(進め方の調整、
特定分野を重点的に見てほしい、休憩を挟みたい等)を受け付ける合図です。
その場合は、生徒への診断を中断し、保護者の要望を丁寧に確認した上で、
要望を反映してから診断(またはカリキュラム提案)を再開してください。

4. 地味に一番効果を感じている「隠れ機能」

このプロンプトには、実はもう一つ仕掛けがあります。それが最後の「親から先生にお願いがあります」という合言葉です。

診断中、AIと子どもの1対1のやり取りに親が割り込むタイミングって、意外と難しいんですよね。「ちょっと待って」と言うと子どものテンポを崩してしまいますし、かといって黙って見ているだけだと、明らかに苦手な分野を延々と続けさせてしまうこともあります。

そこで、この一言を言えばAIが会話を一時停止し、親の要望(「ここは飛ばしていいよ」「もう少しゆっくり」など)を聞いてから再開してくれる、という仕組みにしました。子どもの前で先生役のAIに”横から口出しできる”ボタンのようなイメージです。


5. まとめ:診断→カリキュラム→テストの3段構え

今回の診断プロンプトによって、我が家のAI学習は以下の3段構えになりました。

  1. 診断:今回作ったプロンプトで、現在地(得意・不得意)を洗い出す
  2. カリキュラム:診断結果に応じて、AIがオーダーメイドの学習プランを提示
  3. テスト:前回記事の「ゴール逆算型テスト」で、3月までの到達目標を確認

次回は、実際にこの診断プロンプトをわが子に使ってみた結果(本当にレベル0で止まった分野があったのか、AIが出してきたカリキュラムの中身)を、包み隠さず公開する予定です。

同じように「うちの子、実際どのくらいわかってるんだろう?」と気になっている神奈川の親御さん、ぜひこのプロンプトを試してみてください。


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